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2008/12/24

南座・顔見せ興行 観劇記

【京都・南座】

§玉三郎丈配役§
・「信濃路紅葉鬼揃」    鬼女        12月19日観劇
・「源氏物語 ―夕顔―」 六条御息所    12月19日観劇

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顔見せの風物詩-まねき
…華やかさ一杯…

3月に出向いて以来、今年2度目となる京都・南座……。
今回は演目数・上演時間とも、通常より長めで京都の方々が如何に
顔見せを楽しみにされているかを物語るような舞台でした。
また、京の師走を物語る言われるだけあって、上方の役者さんが揃っているからでしょうか…、
歌舞伎座の顔見せに比べて、京言葉で使われる「はんなり」とした雰囲気が
どことなく漂っているように思え不思議な気持ちになったりして……。
今回は、<夜の部>を観劇した感想を少々、綴ってみます。

<夜の部>
念願の坂田藤十郎を襲名されてからも益々、活躍をなさっている藤十郎さんが
親子で挑まれた『傾城反魂香』は、翫雀さんが又平を大熱演されていて、
吃音の台詞が意味不明だったのには、…如何にも藤十郎さん親子らしい!?… を痛感!!。
…藤十郎さんご一家の舞台は何時、観ても濃いなぁ… との感慨を新たにした舞台です。

『大石最後の日』では、吉右衛門さんがお父様の白鸚さんにとても似ていらっしゃることを改めて知って、
…こちらも血脈は厳然… を実感!!。
吉右衛門さんの内蔵助には枯れている中に、主君の仇を討った武士としての矜持や
人情の機微が溢れていて心に迫るものがありました。
私の中では、…ボヤッとして薄墨を流したような… といったイメージがとても強い吉右衛門さんですが、
今秋以降、熱い心を持つ人物像を演じるお姿を目にする機会が続いて
…吉右衛門さんて、とても豊かな色彩を持ついい役者さん… との認識を
より強く持つことになったワタクシメ!?。
…吉右衛門さん、本当にいい役者さんでいらっしゃいます!!…。

『信濃路紅葉鬼揃』
ちょうど1年前、玉三郎さんが新作として歌舞伎座で上演された
『紅葉狩』をモチーフにした舞踊劇の再演が、今回の顔見せで上演されました。
昨年、観劇した時は、…従来の『紅葉狩』の方が変化に富んでいて観客には受け入れやすいのでは…
といった感想を持ったのですが、今回は真正面から観劇したからでしょうか……。
前シテの特に玉三郎さんが一人で踊られる場面の、<緩・破・急> が非常に鮮やかで
美女の本性が恐ろしい鬼であることを如実に語っていることに気付いて、とても感動を覚えました。
玉三郎さんの真の実力と言いますか、芸の深さを再認識させられた心持ちになったワタクシメ……。
…彼はやっぱり、ただ綺麗なだけの役者で終わる人ではない!!… を噛みしめさせていただきました!?。

また後シテで、鬼が宙を舞った場面でお一人が尻もちをついてしまい客席から声が上がる場面がありました。
すぐに体勢を立て直されたので、支障はなかったと思いますが、
一つ間違えば怪我に繋がりかねないことを思うと、…何事もなくて良かった… と胸をなで下ろし、
…役者という職業はホンに肉体労働なんだ… ということをつくづく感じました。
無事故の舞台を祈る気持ちになった観劇です。

『源氏物語』 -夕顔-
海老蔵さんがまだ新之助さんだった当時の『源氏物語』初演で、それこそ光り輝くような光の君を前に
…なんて美しく、凄い役者が出てきたことか!!… と、ただ感動をして
しばらくは、「新之助くん! 新之助くん!」を連呼し(!?)
「エ~ッ!、乗り替えるの~~ぉ!?」と、周囲を大いに混乱させたことさえある
海老蔵さんの光の君だけに、それは大きな期待を持って観劇した舞台ですが、
初演の時に比べると当然のことながら、海老蔵さん、大人になられました!?。
『源氏物語』上演後に玉三郎さんが、『末摘花』で光の君を演じられた時、
…新之助君の光源氏は光り輝くだけれど、玉三郎さんの光源氏は匂い立つ… と感じたのですが、
今回の海老蔵さんはどちらかと言うと、光り輝くより匂い立つイメージの方が強いように思いました。
…これって、年齢を重ねると起こる現象なんでしょうか… とも思わされ、
若さが放つ美しさを少なからず、心に思った一瞬です。

玉三郎さんの六条御息所は生霊としての登場だけに、とても幻想的でしたが、
私の中の六条御息所はもう少し、可愛い……。
…嫉妬の炎に焼かれて生霊となってしまう自らの深い業に苛まれながらも
きっと、毎日を必死で生きていたのではないか… と思うと、
その姿は幻想的なだけでは語れないはずだと思うんですよね……。
(…とは言っても、生霊になっている場面なんだから、幻想的に描かざるを得ないんでしょうけど…)
そんな一面も垣間見られたら、もっと共感できるかもしれないと思った
玉三郎さんの六条御息所です。

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