只今読破中! 『贋作 天保六花撰 うそばっかりえどのはなし』
『贋作 天保六花撰 うそばっかりえどのはなし』
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明治時代に初演された通し狂言に『「天衣粉上野初花』(くもにまごううえののはつはな)
というお芝居があります。
江戸時代の『天保六佳選』という講談を出典としていて
片岡直次郎/河内山宗俊/金子市之丞
という…叩けば埃の出る…悪党三人組が様々に絡む大芝居でなのですが、
その後半部分が、『雪日暮入谷畔道』(ゆきのゆうべ いりやのあぜみち)として
独立上演されることがよくあり、主人公・直次郎が御家人の次男坊だったことから、
通称、『直侍』とも言われています。
この直次郎、御家人の子息からグレて悪事を働いた為
今で言う指名手配の身となってしまい高飛びをする前に
恋人の花魁・三千歳(みちとせ)との逢瀬にやって来て別れを惜しむ…というのが
非常に大まかな筋書きで、悪事を働いた後、小雪が舞う寒い中で
直次郎が熱い蕎麦を粋に食べる冒頭のシーンが有名で
『蕎麦屋』という別名でも知られています。
私の場合、玉三郎さんの三千歳で歌舞伎を楽しんでいる為、決して知らない話ではないし
玉三郎さんの三千歳は、…ホントに苦界生きる花魁??… と思わせる程、儚く美しいので
私の中では透明感がかなりある作品なんですけど……。
(観る側にそう思わせる役作りをしているところが
玉三郎さんの凄さであり、罪深さであるとも言えるんですけどネェ!?。
…だってねぇ…、どんな役にも透明感や美しさ・儚さを感じさせちゃったら
芝居自体を勘違いする観客だって出て来ますから~
)
その 直次郎/宗俊/市之丞/三千歳 を題材とした北原亞以子作
娯楽時代小説『贋作 天保六花撰 うそばっかりえどのはなし』という文庫本を
偶然に書店で見付けました。
…ヘッ!?…片岡直次郎に三千歳…
それが、「うそばっかり」って何かしら~ぁ??…となったら読むしかないでしょう!!…
と、その場で購入して手に取っているんですけどこれが滅法面白い ![]()
私の中では玉三郎さんの三千歳のイメージがイメージだけに
蕎麦に湯気の立つのを感じさせる直次郎も
売れっ子花魁・三千歳との悲しく切ない逢瀬の中で
愛しい人との別れを惜しむ悲運の優男だったのですが、
この『贋作 天保六花撰』の登場人物はどれも桁外れに
強烈な個性の持ち主に設定されており、
直次郎も酸いも辛いも噛み分けるかなり常識的な(!?)小悪党に描かれていて
作品のイメージが大いに変わってしまい (絵文字)
暗闇の丑松は手跡指南所の先生に惚れて込んで孔子を習うものの
「子、曰く(し、のたまわく)」 が 「火の玉は黒…!?…」 になっちゃってるし
、
(訳がわからない方、本を手にお取り下さいまし m(__)m)
三千歳に至っては、直次郎の正妻にやきもちをやき
強請りの場では周りを圧倒する大芝居も打つしたたかさを持った
近目(しかもド近眼!!)の花魁にまで姿を変えていて ![]()
それに元々、通し狂言では三千歳のパトロンは宗俊で直次郎は間男(まぶ)であることを思うと
余りにかけ離れた人物設定と描写にただ脱帽する以外にない気持ちにまでなってしまう程です。
まさに、人気作家・北原亞以子さんの本領発揮!!。
その力量をストレートに実感させられています!?。
10短編からなる時代小説なので、気楽に読めますから
皆さんも是非、手にとってご覧になってみてはいかがでしょうか…!?…。
また別の 直次郎/三千歳 に出会えるかもしれませんよ ![]()
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